赤ちゃんの中耳炎ガイド

このページは一般的な情報提供を目的としています。症状がある場合は、必ず医療機関でご相談ください。

1. 中耳炎とは?

中耳炎(急性中耳炎)は、鼓膜の奥にある中耳に炎症が起こる状態です。 乳幼児にとても多く、3歳までに約75%の子どもが少なくとも1回経験するといわれます。

赤ちゃんに多い理由

  • 耳管が短く水平に近い:細菌やウイルスが中耳へ届きやすい
  • 免疫機能が未熟:感染にかかりやすい
  • かぜをひきやすい:上気道炎から中耳炎へ移行しやすい
  • 集団生活:病原体に接する機会が増える

2. 症状の見分け方

赤ちゃんは「耳が痛い」と言えないため、次のサインを観察しましょう。

主な症状

  • 耳を触る・引っ張る:しきりに耳をこする
  • 発熱:38℃以上(発熱しない場合もあります)
  • 不機嫌:泣く回数が増える、あやしても落ち着かない
  • 哺乳を嫌がる:吸う動作で耳痛が強くなる
  • 睡眠の乱れ:横になると痛みが増しやすい
  • 耳だれ:鼓膜が破れた場合に黄色〜白色の分泌物

伴いやすい症状

  • 鼻水・鼻づまり(先行するかぜ症状)
  • 食欲低下
  • ふらつき
  • 音への反応低下
ポイント:かぜの2〜3日後に再び熱が出て、機嫌が急に悪くなった場合は中耳炎を疑いましょう。

3. すぐ受診すべきサイン

  • 生後6か月未満で中耳炎が疑われる
  • 39℃以上の高熱
  • 血液や膿のような耳だれがある
  • 症状が48時間以上続く
  • 強く泣き続け、なだめにくい
  • 抗菌薬開始後2〜3日で改善しない

4. 中耳炎のタイプ

種類 特徴 主な対応
急性中耳炎 急な発症、痛み・発熱が目立つ 必要に応じて抗菌薬
滲出性中耳炎 痛みは少ないが液体が残る、聞こえにくさ 経過観察、必要時に鼓膜換気チューブ
慢性中耳炎 3か月以上続く、または反復する 耳鼻科での専門的治療

5. 治療とホームケア

家庭でできるケア

  • 痛みの緩和:月齢に応じて解熱鎮痛薬を使用
  • 温罨法:耳の周辺を温かいタオルでやさしく温める
  • 姿勢:完全に平らより、やや上体を起こす
  • 水分補給:脱水を防ぐ

医療機関での治療

  • 抗菌薬:細菌性が疑われる場合(通常5〜10日)
  • 点耳薬:必要時に処方
  • 鼓膜換気チューブ:反復性の場合に検討
抗菌薬の注意:
  • 処方された期間は最後まで飲み切る
  • 症状が軽くなっても自己判断で中止しない
  • 中断は再燃や耐性化の原因になります

6. 予防のポイント

授乳・食事まわり

  • 母乳育児:中耳炎リスク低下に有利
  • 寝かせ飲みをしない:ミルクが耳管へ逆流しやすくなる
  • 哺乳びんをくわえたまま就寝しない

生活環境

  • 受動喫煙を避ける:中耳炎リスクが上がる
  • 手洗い習慣:かぜ予防が中耳炎予防に直結
  • 体調不良者との接触を減らす
  • おしゃぶりの長時間使用を控える(生後6か月以降)

予防接種

  • 肺炎球菌ワクチン:原因菌の予防に有効
  • インフルエンザワクチン:毎年の接種を検討
  • 接種スケジュール:予防接種ガイド

7. 聞こえへの影響

中耳炎を繰り返すと、一時的な聴力低下が起こることがあります。 多くは治療で回復しますが、言葉の発達が進む時期には注意が必要です。

聞こえにくさのサイン

  • 呼びかけへの反応が遅い
  • テレビの音量を上げたがる
  • 言葉の出方がゆっくり、発音が不明瞭
  • 聞き返しが増える

気になる場合は、聴力評価を受けましょう。

8. よくある質問

Q. 中耳炎のときにお風呂は入れますか?

鼓膜穿孔がなければ基本的に可能です。耳に水が入りすぎないように注意しましょう。

Q. 飛行機に乗っても大丈夫ですか?

急性期は気圧変化で痛みが悪化しやすいため、可能なら回復後にするのが安心です。

Q. 何度も繰り返すのはなぜですか?

耳管の形、集団生活、アレルギー体質などが関係します。3回以上反復する場合は耳鼻科で相談しましょう。

9. まとめ

中耳炎は赤ちゃんによくある病気ですが、 早めの気づきと適切な治療で多くは良好に経過します。

耳をよく触る、発熱、強い不機嫌が続くときは、早めに小児科・耳鼻科を受診しましょう。 予防接種と日々の感染対策が、再発予防の基本です。